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D-狂戦士イリヤ

一言で言って、何だかスゴイことになってる一冊でした。
強い貴族がやたらいっぱい出てくる!
今回のヒロイン、イリヤはタイトルにもなっていますが、
そんな貴族たちにとにかく狙われる!
一体彼女に何があったのか?

Dとイリヤの出会いは、とある貴族の墓にて。
書き出しの風景描写がすごく繊細で、印象的でした。
墨絵のような静寂を破って、戦いが始まる。
Dと相対するは墓守の男。
ところが、その勝負を譲ってほしいと名乗り出る者がいました。
これがイリヤだったのです。

ハンターだというイリヤは、確かな腕をもち、見事にさばくが、
それがなければ平凡な農家の娘にしか見えないという。
そうしてイリヤが斃した相手は、実の弟だった!
それでも涙ひとすじ流さないことに、彼女の背負っているものの重さを感じます。

「何かを得るためには、何かを失わなければならない」
これもDシリーズの中に脈々と流れるテーマだと思うのです。
人間が貴族のように、不老不死の力を得るには、
人間としてのあらゆるものを犠牲にしなければならない。
それは望んだものであっても、望まない結果であっても同じ。
さて、イリヤの場合は…?

イリヤの家族は、両親とイリヤを含めた7人兄弟の、合わせて9人家族でした。
ところが、その全員が貴族に襲われてしまう。。。
どういうわけか一人残されたイリヤは、兄弟を探す旅に出たのです。
正確には、人間ではなくなった兄弟を始末するために。
貴族の犠牲者となった者の家族がすることといえば、
その者を永久に閉じこめておくか、心臓にとどめをさすか。
イリヤは後者を選択したようです。

今回は旅の行き先がたまたま一緒だったDとイリヤ。
お互いの目指す貴族というのが、クラーケン子爵なのです。
すごくわかりやすい名前だと思うのですが、何と水を制した貴族。
水を意のままにし、水辺に居城を転々とさまようのは、
まるでパイレーツ・オブ・カリビアンのデイヴィ・ジョーンズのよう。
元来、水が苦手な貴族が水を制するには、またそれなりの代償が必要です。
ここでは語りませんが、クラーケンにも壮大な過去の物語がありました。

クラーケンに行きつくまでの旅の途中、イリヤ自身の秘密も明かされていきます。
一家が貴族に襲われて、イリヤだけが無事だったというのも、素直には考えにくい。
また、平凡な娘がハンターになるほどの技量や精神力を備えているのも。
その辺の鍵を握るのがラングラン伯爵。
当時はどういう意図があったかわかりませんが、現在のイリヤに、何らかの可能性を認めたようです。
その結果、イリヤがどういう運命をたどるのか…それは本編のお楽しみ。


今回のヒロイン・イリヤは、事情が事情なだけに、Dの扱いがいつもと違って、
私の中ではかなりうらやましいヒロインの一人です。
一番びっくりしたのは、花嫁衣裳でDの隣りに並んだこと!
これはイリヤの天然がなせるわざだったのですけど。
イリヤの背負う過酷な運命あっての天然さですが、こんなことめったにないよ!!
Dとお近づきになるには、過酷な運命を背負いつつ、自分のことは自分で責任をとる。
まずこの精神がないとダメなんだろうな。
って、そんな計算をしてるあたりでダメだと思う。

私みたいにDを慕う人は作品中にもいて。
女ハンターのジアヌもその一人。
彼女はイリヤとは違い、れっきとしたハンターなのですが。
どうやら久しぶりの再会だそうなんですけど、過去の作品には出てきたことはありません。
きっとDの長い旅路の中で、作品にはなってないところで出会ったハンターなのでしょう。
ジアヌはラングランに雇われていたのですが、Dが絡んでいる案件で、さぞ喜んだことでしょう。
そうでもなきゃ、Dと一緒に行動するなんてできないですからね。

それから、旅の途中で出会ったもう一人の重要人物はミーカという少年。
父を亡くしたミーカが、叔父のもとへ送られる途中、
同行していた家政婦に突然置き去りにされたところに、たまたまDとイリヤが出会いました。
普通なら旅に関係ない少年など置いていくのですが、なかなかそうもできず。
行き先が通り道だったということで同行することに。
それだけじゃなく、「自分にもできることはやる」というミーカのひたむきさがあったからだと思いますが。
実際、その後の旅で、ミーカが役に立つ場面がちょこちょこありました。
これは憶測ですが、Dはイリヤに、ミーカと暮らすことで、
普通の娘に戻る道もあると教えたかったんじゃないかな、なんて。
いろんなことを考えると、どうしても切なさがつきまとう、Dシリーズの特徴です。


すっごくマニアックですが、珍しく温泉地が出てきます。
Dの世界にも温泉なんてあるんだなー、と感心したり。
残念ながらゆっくり浸かってる場合ではなく、Dの入浴シーンなんて夢のまた夢なのですが…。
冒頭の墨絵の表現だったり、ところどころで日本を連想させる表現が出てきます。
Dの世界では「遠い昔に滅んだ東の国」とされていますが。
左手さんの日本びいきに、菊地先生の心意気を感じます。


Dー狂戦士イリヤ (朝日文庫 き 18-30 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 18)

Dー狂戦士イリヤ (朝日文庫 き 18-30 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 18)

  • 作者: 菊地 秀行
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫


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ALL SINGLES BEST

スガさんのシングル曲だけを集めたベストアルバム。
新しい曲から順に遡っていくので、聴いているうちにスガさんが若返っていきます。
ボーナストラックとして、「夜空ノムコウ」と「春夏秋冬」を収録。
「夜空ノムコウ」はSMAPに提供した名曲ですが、今聞くと切なくなりますね…。
「春夏秋冬」は新曲。
これまた壮大なメロディーで、名曲です。

他、青空のカップリングだった「Cloudy」はアルバム初収録。
サナギもシングルバージョンとして、映画xxxHOLiCに使用されてたバージョンで収録されてます。



ALL SINGLES BEST

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: CD


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